http://martinfowler.com/bliki/EarlyPain.html

数年前、我々が採用していたアジャイル方法論なんて嫌いだというクライアントと話したことがある。「プロジェクトの初期段階で、こんな面倒なことをやるのは間違いだと思う」と彼は言った。彼の反応とは対照的に、私は、この初期の痛みこそがアジャイルや反復的開発の最大の利点だと思った。

私はウォーターフォール開発について散々文句を言ってきた。というのも、ウォーターフォール開発の最大の問題が、プロジェクトの終盤まで問題の発見が遅れるという点だと考えているからである。その時点ではもはや、問題に対処すべき時間も余力も残っていないのだ。反復することによってできるだけ早い段階から、できるだけ多くの問題を見つけ出すことができる。これで対処できる時間が増える。あるいは、問題を洗い出すことで、膨大な予算や作業を費やす前に問題の多いプロジェクトを中止することができる。

過去のプロジェクトを顧みて、どこで問題が持ち上がったかを考えてみるとよいだろう。そして、その問題をもっと早く見つけ出すにはどうすればよかったかを自問して欲しい。早期に発見できる痛みが多ければ、それだけ症状はよくなるのである。