アジャイルプロジェクトでは、固定価格契約は出来ないとみんな思っている。アジャイルプロセスとはつまり「将来を予見することなどできない」であるから、これは分からない話でもない。ただしこれは、「固定価格アジャイル契約」を結べないという意味ではなく、、「固定価格固定スコープ契約」が結べないという意味なのだ。

「固定価格」という言葉を使うとき、たいていそれは、価格・時間・スコープが固定されている状態のことを指す。 これには、詳細かつ安定した正確な要件定義が必要となる。 アジャイル開発とは、ざっくりとした要件定義でやるものである。 固定価格契約でやろうとすると、必然的に下記のようにやる他ない。 「私たちは○ドル使えます。12月1日にはリリースしなくてはなりません。一緒に頑張って、納期までに出来るだけ動くもの(the best set of features)を作りましょう。」

初期計画

こういった段取りで進める際の初期計画は、 しっかりと計画されたプロジェクトと何ら変わりはありません。 決定的に違うのは、計画どおりに進むなんて期待してない点でしょうか。 ただし、現在想像しうる最良のプロダクトを納品するつもりです。 プロジェクトが進むのに合わせて、プロジェクトについて学んでいくからです。

もし思ったよりも困難なものがあれば、それを外すこともします。 そういった場合、私たちは計画を修正します。 顧客がその計画に不満であれば、顧客はキャンセルすることが出来ます。 これは良いことではありませんが、 こちらのプロジェクトならば、計画されたプロジェクトよりも早めに顧客はキャンセルすることができます。 計画されたものは変更しづらく、いつコースを外すかなかなか分かりにくいものだからです。