http://martinfowler.com/bliki/Infodeck.html

同僚に向かってスライドメントがいかにひどいものかを力説しているときに、有用な反論を聞いた。 多くの人にとって、スライドはもはやプレゼンテーションで使うものではなく単なる読み物なのだ、と。 我々は「マネージャーって奴らは箇条書きのスライドしか読めないんだから」と皮肉ることがあるが、 その手のスライド(ここでは「インフォデッキ」と呼ぶ)にもこんな利点がある。

  • 空間を生かしたレイアウトで意味が伝わりやすくなる
  • 誰も読まないような長文を書きにくくする
  • コミュニケーションの主要素として、図表を取り入れやすい

これらすべては、ドキュメントをより親しみやすくかつ伝わりやすくすることにつながる。 昔ながらの長文のテキストに比べて、親しみやすさも伝わりやすさもずっと改善されるだろう。

もしそのスライドが読み物として作られていてプレゼンで投影することを想定していないのなら、 私はそれをもはやスライドメントだとは見なさない。 スライドメントがなぜまずいのかというと、それは二つのことを同時にやろうとしているからだ。 インフォデッキの場合は読ませることに専念しているわけであり、それはうまくいくだろう。 もちろん、読ませようとして失敗していることもある。しかしそれは作り方の問題であり、その概念が悪かったわけではない。

インフォデッキという形式に関して個人的に興味深いのは、誰もそれをまともに扱おうとしないということだ。 見る人たちの多くは、単にPowerPointでさくっと作ったものだととらえている。 そして、プレゼンを重視している人たち (そう、たとえば私自身) は、インフォデッキをプレゼンより劣るものだと考えている。 ここらでそろそろ、インフォデッキについてもちゃんと真剣に考えるべきだと思うのだ。 どのように作ればコミュニケーション手段としてより効率的になるのか、考えて話し合おう。

インフォデッキがよく使われるようになった理由のひとつは、 コミュニケーションの手段として紙ではなくコンピューターデバイスを使うことが増えてきたということだ。 最近のコンピューターにはきれいなカラー画面がついており、用紙を節約することなど心配せずに済む。 つまり、いろんな色をふんだんに使って図表を大量に埋め込み、ページ数をどんどん増やしていくという方向性がより効果的になる。 タブレットがさらに普及しだすと、この傾向はさらに強まるだろう。

で、よいインフォデッキを作るにはどうすればいいのだろう? 今のところ私は、こんなふうに考えている。

  • PowerPointやKeynoteのようなプレゼンツールで作ることが多いようだが、別にそうしなければならないというわけではない。ページレイアウト形式のツールのほうがうまくいくことが多いだろう。たとえば、MacのPagesみたいなやつだ。Pagesのページレイアウトモードは、インフォデッキを作るのにとても使いやすい。
  • 横長の形式にするのがきっとよい。というのも、そのインフォデッキを読むのはたいていラップトップ上だからである。
  • テキストを書くときには箇条書きにするのが一般的だが、ちょっと背伸びして短めの文章を書いてみよう。そうすれば、大量のテキストを使うことなくより多くの情報を伝えられるようになる。別にプロジェクターに投影するわけではないのだから、箇条書きに縛られる必要などない。
  • できるかぎり図表を使い、それをページの主要素にしてテキストをその周りに配置する。図表を使うつもりがないのなら、テキストをいくつかのブロックにわけて配置してそれを線でつなぎ、相互関係を示すようにしよう。
  • 他の人たちに配布するときにはPDF形式を使う。インフォデッキのように書式が重要となる文書には、PDFが最適だ(ePubが向いているのは、もっと装飾の少ない文書だ)。

by m-takagi