http://martinfowler.com/bliki/ThoughtWorksChina.html

ThoughtWorksが中国に進出した。 中国オフィスを開くことは、かねてからの強い願いであった。 Royも以前からRoysSocialExperimentの一部に入れており、 Xiao Guoも中国でThoughtWorksを始めたいとずっと言っていた(彼は、ソフトウェア開発における数多くの経験やアイデアを私に教えてくれた人物だ)。

オフィスを開く場所については、いくつかの選択肢を考えた。 結局、古都西安に決めた。 西安は、北京や上海のような経済の中心ではないが、学生の数も多く、経済の発展がめざましい、かなりの大都市である。 現地のソフトウェア業界の方々は大いに歓迎してくれ、我々のアジャイル開発の考え方やその適用方法について学びたいと言ってくれた。

ThoughtWorks Chinaの狙いは、中国経済への参入である(オフショア開発を行っているインドとは対照的である)。 中国経済の成長は著しく、長期的に見て我々にもチャンスがある。 また、技術的実験を試みたい場所でもある。 他の欧米企業が参入する前に中国の企業と協業したいと願っている。

数ヶ月前、中国に出張したが(例の事故の前の話だ)、いつもの面倒な旅だった——年をとるにつれ、旅行や会話が楽しくなくなっているようだ。 そのような限定された経験からでも、多くのことを学ぶことができる、などと言う気はない。 ただ、いくつか考えがある。 いずれも現地の人間から間接的に聞いたものだ。

  • ソフトウェアはまだそれほど重要視されていない。ソフトウェアはハードウェアに付属しているものと考えられているようだ。まるで数十年前の欧米のようだ。
  • みんな早急に構築したいと思っている。つまり、パッケージ開発が多いのだ。できるだけ早く開発することはいいことだ。ただし、それらのパッケージをうまく統合するための作業が膨大にある。カスタムソフトウェアを戦略分野で使うことができれば、競争上の優位点を確保できる。我々が狙っている市場はそこだ。
  • インドで行われているCMMの利用をそのままコピーすればいいという声もある。しかし、そういった手法は現実的には必ずしもベストではない。中国の大きな強みは経済の多様性にある。つまり、中国のソフトウェア産業はオンショア開発向きなのだ。オフショア開発を行っているインドに対抗しようとすると、インドがもともと強い分野で競争しなければならない羽目になる。だから(おそらく日本を除いて)、大きなチャンスは中国国内の顧客になるだろう。
  • 「偉大なファイアーウォール」がウザイ。BBC読みたい。blog読みたい。今はこういう情報が原動力になってるんだから、こんな障壁は不便極まりない。

上海で私に会いに来てくれた方々に、一言お詫びしなければならない。 その頃、お腹を壊してしまい、入院していたのだ。 次の機会には、是非とも上海に行きたいと思う。

中国でどのようにオペレーションを行えばよいのかという問題が残っている——中国のソフトウェアは相応の価値を得ていないからだ。 これは長期的な課題だと思っている。 チャンスを見つけるには時間がかかるだろう。 しかし、現地にいなければそのチャンスは見つからないだろう。