XPJUG20040419
Martin Fowler夫妻とGregor Hohpe氏を囲む会
- 日時: 2004年4月19日(月) 19:00-21:00(18:45受付開始)
- 参加費: 2000円(飲食代等)
- 場所: Y’s エステックビル情報ビル店
- http://www.xpjug.org/event/20040419meeting/regist
Q&A
好きなプログラミング言語は何ですか?
- Martin : Smalltalkを長年使ってきたが……currentは……Ruby(会場拍手喝采)
- Gregor : C#(コンパクトだし教育にも向いている)
ThoughtWorksのマネジメント系の人に対してGregorが、「彼の好きな言語は……Power Pointだよ」と言う(会場爆笑)。「ああそうさ、Power Pointさ」。
週40時間プラクティスというのがあるが、Martinはどれくらい働いているの?
私の場合は例外かもしれない。Cindyにガーデニングを夜中までやらされているし(冗談)。
週40時間労働というのは、シリコンバレーにはびこっていた「長く働く美徳」を打ち崩すためのものだった。プログラミングには常にフレッシュなマインドが必要なんだ。
[生産性は計測不能]]とおっしゃいますが、では発注者は何をもって業者の選定を行えばいいのですか?どうにか生産性を計測できませんか?
できません(きっぱり)。生産性は計測できないので、他の方法で比較する必要があるでしょう。どうにか生産性を計ってやろうとあれこれやるのは、結局は徒労に終わると思いますよ。
XPを職場に広めるにはどうすればいいですか?
(Martin)XPを導入すると明言せずに、自ら効果を示せばよいのです。ThoughtWorksでは多くのプロジェクトでXPのプラクティスを使っていますが、それは使おうと思って使っているのではなく、効率よくプロジェクトを行うにはどうすればよいかを追求していった結果として、XPのプラクティスになったのです。 あなたが腕のいいプログラマになって、XPのプラクティスを何気に実践していたら、他のメンバは「何をやってるの?」と興味を持つでしょう。
(Gregor)Martinの言うとおりだ。本やサンプルプログラムを見ただけで分かった気になってはいけない。何かを学ぶときには、外国語を学ぶときもそうだけど、常に「人から」学ぶことになる。
XPで設計でどれくらいやるんですか?
プログラミングと設計をミックスさせて、イテラティブに行います。
MDA(ModelDrivenArchitecture)ってどうよ?
(Martin)詳しくはblikiに書きましたが(日本語も読めます)、『ナイト・オブ・ザ・リビング・CASEツール/ゾンビの誕生』ですね。MDAやツールは重要ではありませんが、モデリングという考え方は重要です。ソフトウェアを明確にするためや、チームメンバとコミュニケートするためにスケッチとしてモデルを使うことがよくあります。たとえば、Gregorの本のモデルは非常に分かりやすい。
ですが、[Uml2]]ではスケッチとしての機能がなくなってしまいました。これは残念です。UMLコミュニティの人たちは、メタモデルからコードをジェネレートすることしか頭にないようです。
(Gregor)MDAは「対マシン」です。私の『Enterprise Integration Patterns』で使われているダイアグラムは「対人間」です(会場拍手)。
『アナリシスパターン』が難しすぎるんですが、書き直したりはしませんか?
スケジュールを見ないと分からないが、今はPofEAAのパターンカタログをもっと増やしていきたいと考えている。いくつかのアナリシスパターンをWebに公開しているが、それらをPofEAAに(うまく出来るかどうか分からないが)組み入れていこうと思っている。
閉めの言葉(Martin Fowler)
日本を旅してきて、XPに通じるものをしばしば見てきた。日本人は自分たちの仕事に誇りを持っている。田舎の旅館などでは、英語が話せないのになんとか私たちに話しかけてくれようとしたし、日本人の作る陶器や工芸品に本当にすばらしい。 欧米人は「日本人は機械や車は優れているが、ソフトウェアは大したことが無い」と思っているようだが、私は違うと思う。たとえば、Rubyコミュニティは本当にすばらしい。 日本人のみなさんは、XPをプラットフォームにして、革新的なソフトウェアを開発していって欲しい。
挨拶(長瀬さん)
Martinも言っていたように、日本から革新的なソフトウェアが出てくればいいと思う。海外ではコミュニティから学術的な論文が出てくることもある。日本でもそういったコミュニティ活動が出来ることを望む。XP 2004がドイツで開かれる。Martinがすべてを取り仕切るようだから、興味のあるひとは参加してみては?