虎の威を借りてみる
http://martinfowler.com/bliki/AppealToAuthority.html
私が言ったことに反論するならともかく、こう指摘してくるひとがしょっちゅういます。 「あなたのような御大がそんなことを言ったら、多くのひとは盲目的にそれに従ってしまうじゃないか」と。
はっきり言ってですね、うぜー。私(やソフトウェア業界で発言力のあるひとたち)にそんな影響力があるわけないじゃないか。お前等は何も考えなくていいから、私が言ったことをそのままやればよいのだ、なーんて言ったことは一度もないし、彼らだって一般的な助言の限界くらい理解している。
多額の身銭を払ってコンサルタントにアドバイスをもらっているクライアントだって、 忠実にアドバイスに従うなんてことはほっとんどしない(それがコンサルタントにとっての楽しみであったり、フラストレーションの原因であったりするわけだが)。
そうは言うものの、議論の最中に有力者の発言を引用するのは至極当然かもしれない。これは必ずしも有力者の言葉に従っているということではない。「Xさんがこうやれって言ってたけど」というのは、下記のようなことを意味する:
- Xさんが言っていることをちゃんと全部考慮した?
- あなたの意見はXさんの意見ほど説得力がないんだけど。
- 私の言いたいことは、Xさんが示してくれている。
あなたはこう言うかもしれない。それって議論の怠慢じゃん、Xさんの意見を引用なんかしてないで、Xさんの意見に対するあなたの意見を述べるべきだ、と。うん、まったくもって正しい。でも、ショートカットするのも便利だったりするんだ。特に、がやがやしたナードたちの議論のなかで、自信をもって意見を述べることが出来ないひとにとってはね。あと、これも言っておこう。「Xさんが言ってる?それがどうした」って言っちゃうのも、ショートカットと同じく役に立つよ。